【かつてなく最高の主人公、現る】このキャッチフレーズがぴったりな小説。
2023年3月17日に発売され、18万部(2024年2月時点)も売られています。
2024年の本屋大賞ノミネートされ、次作も既に発売されています。
誰もが憧れる主人公の奔走を描く物語を読める一冊。
書籍紹介
「成瀬は天下を取りにいく」
成瀬は天下を取りにいく/新潮社/宮島未奈 | ||||
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1983年に静岡県富士市生まれ。現在は滋賀県大津市在住の宮島未奈さん著書。
2020年に閉店した実在のデパートの西武大津店を舞台に物語が始まります。
成瀬あかりという滋賀県大津市に住む中学2年生を主人公を中心に一つの物語が始まり、他の物語もつながっていきます。
冒険こそないものの平凡な日常ならではのドキドキ感や成瀬自身の我が道を進む羨ましさを体験できます。
主な登場人物は主人公の成瀬あかりと同じマンションに住む島崎みゆきです。
島崎みゆきは成瀬あかりを小さな時から見てるだけあって成瀬あかり史を見届けたいと思っています。
成瀬は天下を取りにいくの見どころ3選
この小説の見どころを紹介していきます。
圧倒的主人公感
まず、成瀬あかりの圧倒的主人公感です。
成瀬あかりは小さな時から一線を画していて、運動も得意、勉強もできる、何をやるにも他の人との頭一つ抜けています。
最初は他の子たちも持て囃していたが、歳を重ねるにつれて何でもできてしまう成瀬を無視するようになってしまいます。
しかし、成瀬自身他人の目を気にすることなくマイペースに生きているため特に気にした様子もない。
こんな自分という軸を持ち何でもこなせるのは圧倒的主人公といえると思います。
破天荒さ
次は成瀬あかりの破天荒さです。
成瀬は小さいころ、急にシャボン玉を極めると島崎に伝え、その数日後に滋賀県大津市のローカル番組で天才シャボン玉少女として紹介されます。
中学2年生になった時は西武大津店が閉店することを受けて夏を西武に捧げることを提案します。
夏に捧げるとは夏休みの8月1日~8月31日に西武大津店に通い、ローカル番組に映るというのです。
映るといってもインタビューされるのではなく、ただテレビ中継の前で西武ライオンズのユニホームを着て目的もなく映ることでした。
他にはM-1グランプリに出場してお笑いの頂点を目指したり、1ヵ月に1㎝伸びるという髪の毛がほんとうにそうなのか調べるために坊主にしたりします。
興味を持ったらやらずにはいられない行動力を超えて破天荒さしかありません。
それぞれの心境
この小説は基本的に他者からみた成瀬あかりを描いています。
島崎からみた成瀬あかり、高校の同級生から成瀬あかり、一目惚れした男の子からみた成瀬あかりのそれぞれの成瀬あかり像が物語を通して描かれています。
成瀬あかりはこうに思っているに違いないという人物像だと思われていたが
成瀬あかり自身が本当は思っていることが物語の最終章を通して知ることができます。
人に対してどう思っているか、突発的な発想の真意がわかるため読み終わった後にすぐにでも読み返したくなります。
成瀬は天下を取りにいく/新潮社/宮島未奈 | ||||
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